ナチュログ管理画面 キャンプ キャンプ 九州・沖縄 2018冬!初投稿キャンペーンアウトドア&フィッシングナチュラムアウトドア用品お買い得情報

数字とロマンで選ぶキャンプギア

キャンプや他のアウトドアにおける大きな醍醐味である ギア選び について、数字で検証しつつも最後はロマンで選ぼうというブログです。

【キャンプギア選定②】ペグ(スチール系) ~非鍛造ペグは実用的なのか?~

   

【キャンプギア選定②】ペグ(スチール系) ~非鍛造ペグは実用的なのか?~

 
こんにちは、お越し頂きありがとうございます。

 前回の記事では鍛造ペグの強度について考察し、必要十分以上の耐久性がある事が分かりました。今回はスチール系のペグのなかでも、非鍛造ペグについて考えてみたいと思います。

 内容の雰囲気は前回と同じですので、またしても雑な読みものとしてご覧ください


まずはこちら
スチール丸鋼ネイルペグ/キャプテンスタッグ




 長さ:25cm
 打込み部直径:8mm
 素材:鉄(亜鉛めっき)+ポリプロピレン樹脂 
 重量:100g/本
 価格:103円/本


 気になる素材は、”鉄”・・・。前回のColeman鍛造ペグも”スチール”としか書いておらず、具体的な強度が分かりませんでした。食器や小物ならまだしも、自分や家族の安全を任せる重要な道具において、”分からない”ものを使うというのは不安が残ります。

 ここでは、8mmの丸鋼で考えられる素材のうち、最も安価であろう SS400 という素材を使っているという前提で考えてみましょう。

 このSS400という鋼材は、もっとも一般的な鉄鋼材料の一つで、400という数字は強度を表しています。(円柱にくびれを付けたような試験片を長手方向に引張っていったとき、1mm^2当り400N≒41kgf以下の荷重では破断しないという強度)

 ではソリステ/エリステのS55Cは55しかないの?弱い??と思った方もいるかも知れませんが、そうではありません。こちらの55は、材料の成分のうち、0.55%程度の炭素が含まれていることを表しています。
 (強度だったり成分だったり・・・統一性がないネーミングで分かりにくいですが工業製品とはそういうものが多いです)

 
SS400と同じ試験を行った時の強度は、1mm^2当り 650N/以上 をとるように定められており、単純に比較すれば1.63倍の強度です。

ということで、SS400の強度は下記の通りと求めてみました。


   SS400ネイルペグ(直径8mm) 耐曲げ荷重(降伏点):245kgf
   S55C ソリステ(直径8mm)     〃      :350kgf 参考


 前回紹介したパラコードの耐荷重である250kgとほぼ同じ値である事が分かり、実用的には問題ないと言えるでしょう。

 もしかすると、このあたりの数字がテント周りの製品における基準となっているのかもしれません。安価に必要十分な製品を提供してくれる、さすがのキャプテンスタッグですね。お世話になっています。

 ちなみに、表面は亜鉛めっき処理がされていますが、”めっきは完全防錆ではない”ので注意しましょう。表面に微細な穴が空いており、長時間雨ざらしの環境等におかれると内側から錆が発生し、めっきが剥離してしまいます。




続いては一見鍛造ペグに似ているような風貌の2種類

 金属ペグ/Lazo





 長さ:30cm
 打込み部直径:9mm
 素材:鉄 
 重量:160g/本
 価格:228円/本



 テントペグ/YOGOTO




 長さ:30cm
 打込み部直径:10mm
 素材:鉄 
 重量:184g/本
 価格:179円/本



この2種類のペグの特徴は、溶接部があるということです。

溶接がある=強い

そんなイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。
しかし実際は

溶接がある=一体構造(鍛造など)より弱い(良くて同じ)

なのです。

もちろん、何かを繋ぎ合せるという方法において、溶接は非常に優秀な技術です。
一方で、欠陥が発生しやすい技術であることも事実なのです。

【キャンプギア選定②】ペグ(スチール系) ~非鍛造ペグは実用的なのか?~
(画像は日本溶接協会HPより)

 上の表はいくつかの溶接種類における強度低下の度合いを示したもので、一番右のαの数字が、一体構造を1としたときの強度です。

 おおよそ0.7~0.8となっており、一体構造に比べて2~3割程度強度が落ちる事が分かります。(ペグの溶接はすみ肉/T形にあたります)

 しかもこれは欠陥がなかった時の数字であり、万が一欠陥があれば、当然これよりも低い強度になってしまいますし、その度合いは予測することができません。

 なんだか怖いことを書いていますが、基本的に溶接ペグの溶接部は、抜き用の穴を付けるために行っているだけで、正しい向きでペグを打込んでいれば、溶接部に荷重はかかりません。(無理に抜こうとした際などに溶接部が破断し、反動で転ぶなんてこともあり得ますので注意しましょう)

コスト的にはソリステの半額近い値段で買えますので、テンションがかかりにくい場所用としては有りだと言えるでしょう。


 今回は非鍛造のスチールペグ3種類について考えてみましたが、やはり魅力はコスパの高さです。

 特にネイルペグに関しては、重量も1本当たり100gと軽量で、登山やツーリングキャンプには最適ではないでしょうか。

 溶接のあるペグについても、溶接部に荷重がかからないような使い方であればまったく問題ありませんので、張り網の多いテントの本体周りなどに良いかもしれません。




 次回は週末~週明けの予定です。内容はちょっと変えてオリジナルアイテムについて紹介しようと思います。

ナチュログの初投稿イベントが今日までだったので急いで書きました。。。



それでは、最後まで読んで頂きありがとうございました。


ブログって先頭文字下げない方が読みやすいんでしょうか・・?






同じカテゴリー(キャンプギア―ペグ)の記事画像
【キャンプギア選定①】ペグ(スチール系) ~ソリステかエリステか、はたまた第三のペグか~
同じカテゴリー(キャンプギア―ペグ)の記事
 【キャンプギア選定①】ペグ(スチール系) ~ソリステかエリステか、はたまた第三のペグか~ (2018-02-26 18:51)



上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。


削除
【キャンプギア選定②】ペグ(スチール系) ~非鍛造ペグは実用的なのか?~
    コメント(0)